【ワ】

【ワイヤボンディング(Wire Bonding)】《HW》

半導体チップ(シリコンの小片)と外部とを接続する際に、半導体チップ上の電極(パッド)と外部とを非常に細い電線で接続することをワイヤボンディングといいます。電線の両端はハンダ付けではなく、押し付けて接合する(圧着)方式をとります。
電線材としてはやわらかさ、圧着性といった金属特性から金がよく使われますが、コストなどの面から銅やアルミも使用されています。

【割り込みとポーリング】《SW全般》

一般にソフトウェアが外部の状態変化を知るための手法として「割り込み」と「ポーリング」という2種類があります。
ポーリングとは状態変化をソフトウェアに通知する場所(ポートと呼ばれることが多い。CPU資源またはメモリ空間に配置されソフトウェアで読み出し可能)を読み、その変化をソフトウェア的に判断することで状態の変化を認識します。通常、期待する状態になったか否かを判断するための処理であるため、期待値となるまで判定しながらのループ構造となります。状態変化を知るということだけに着目するとソフトウェアの構造は簡単にはなりますがCPUに他の仕事を割り付けられないため複雑な処理を同時に実行することが要求されるシステムには不向きとなります。
このようなポーリングの欠点を解消するには「割り込み」が使用されます。割り込みは状態の変化をハードウェア的に検知しCPUに割り込みを発生させることで実現しています。状態の変化(事象の発生)した瞬間に割り込みを通じてソフトウェアが認識することができるため応答性が良く、状態変化を待つ間にCPUに他の仕事を割り付けることができるため全体の効率が良くなります。ただし処理シーケンス的には状態変化を期待する状態になった部分と割り込みの処理、割り込みによる状態変化を認識した後の処理がそれぞれ別に必要となるため複雑になる傾向があり設計に注意が必要です。
参照:多重割り込み

【割込みベクトル】《プロセッサ》 → 割込みベクター

【割込みベクター(Interrupts Vector)】《プロセッサ》

簡単に言えば、割込みの方向を示すものです。
周辺I/Oデバイスの状態変化などの外部イベントの検出に、割込みがよく使用されます。外部イベントが複数ある場合には、これを識別する手段が必要です。このために用いられるものが、「割込みベクター」です。
周辺I/Oデバイスがプロセッサに割込みを要求(Interrupts Request)すると、プロセッサは割込み要求を出したか(Interrupts Acknowledge)をデバイスに聞きます。ここで割込みを要求したデバイスが、プロセッサに与えるのが「割込みベクター番号」です。プロセッサは与えられた割込みベクター番号に基づいて割込み処理を行います。
このように、割込み要因としてベクターを与える方式を「ベクター割込み/ベクター式割込み(Vectored Interrupts)」と言います。vectorは、「方向、進路(名詞)」「(飛行機、ミサイルなどを)電波によって誘導する」という意味があります。「割込み処理の方向を与える」とか「割込みを誘導する」という意味合いのようです。
ところで、時折「割込みベクター」を「割込みベクター番号」や「割込みベクターテーブル」の省略として使用されることがありますので、注意が必要です。
この「割込みベクターテーブル」は、割込みの行先表示板と言えるものです。割込みベクター番号に対応する割込み処理ルーチン(割込みハンドラ)のエントリ(開始)アドレスを格納したものです。
プロセッサは、割込み要求を受け、割込み処理を開始すると、割込み要求元から割込みベクター番号を得ます。割込みベクター番号で、割込みベクターテーブルを引いて、割込みベクター番号に割当てられた処理を開始するのですね。
プロセッサによっては、割込み処理ルーチンのエントリアドレスでなく、割込み処理そのものを記述するものもあります。
なお、プロセッサアーキテクチャによりプロセッサの割込み機構が顕著に違うことに注意が必要です。そのため全てのプロセッサが同じ動作するとは限りません。使用するプロセッサのマニュアルでの調査が必要です。