山根一眞/Kazuma Yamane   ノンフィクション作家 獨協大学経済学部特任教授

1947年10月12日、東京都中野区生まれ
獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業

 1997年4月、低炭素化社会目指す新産業の創造を「環業革命」と命名、その進展で活力ある経済振興をと訴える講演活動は国内外で500回を超える。「環業革命」は2005年日本国際博覧会・長久手愛知県館や「名古屋メッセ2006環業見本市」(2006年11月)でもテーマに採用されたが、その重要性はますます増している。
 
 また20年近くにわたり、ニホンオオカミやイリオモテヤマネコを初めとする生物多様性をテーマとする取材活動にも力を入れてきたが、その原点はアマゾン。1972年の初訪問以来、2009年9月でその現地取材は約20回におよぶ。1996年にはNGO・アマゾン未来協会代表として、アマゾン初の国際環境シンポジウムを主催。これら一連のアマゾンでの業績に対して、1997年に日本人初のアマゾン・パラ州議会功労賞を受賞。ブラジル・アマゾンにおける日本人開拓史も長年にわたり取材・執筆を続け、1999年に汎アマゾニア日伯協会功労勲章を受けた。

 2005年日本国際博覧会・瀬戸愛知県館では「生物多様性」をテーマとし、万博開催地のひとつ「海上の森」の自然保護を表現、同館は愛知万博で唯一となる展示学会賞を受賞するなど大きな評価を受けた。2007年3月、有人潜水船「しんかい6500」の第1000回目潜航に同乗取材し、地球生命の原点である深海生物と生物進化史の世界に、さらには生命の痕跡の探査を続ける宇宙、火星ミッションなどもライフワークのテーマとなった。2010年7月には小惑星探査機「はやぶさ」の7年間にわたる取材成果を『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』として出版、ベストセラーとなる。
 
 1991年から2007年まで17年余、約800回にわたった週刊誌連載「メタルカラーの時代」では、日本の「モノづくり」に携わる人々の仕事と人生をいきいきと描き続け「モノづくり」への関心を高めることに貢献、「東京クリエーション大賞」で個人初の「大賞」を受賞(1998年)。『100年後に残すメガ仕事』など「メタルカラーの時代」シリーズの単行本と文庫本(小学館)は合計24冊になる。「日経地球環境技術賞」や「講談社科学出版賞」の選考委員も務めている。2009年11月の「事業仕分け」では長年テーマとしてきた日本の科学技術が壊滅的な打撃を受けたことから、その危機を訴え改善を求める活動にも力を入れている。

 1990年からNHK総合テレビ外部キャスターとして『ミッドナイトジャーナル』を3年間(701回放送)、1996年からは4年間『未来派宣言』(162回放送)を担当。シンポジウムやフォーラムのコーディネーターも数多くこなしている。2007年から(ニッポン放送)では毎週木曜日にレギュラーゲストとして辛口の社会批評や先端科学技術の解説を続けている。2010年3月、連載50回を迎えた雑誌『DIME』(小学館)連載『山根一眞の新モノのミカタ』では、毎回思いがけない「モノのミカタ」で読者を喜ばせている。

 インターネットがなかった80年代半ばから、アマゾンやアフリカの奥地など世界のどこからでもネット接続する仕事術を実践、そのノウハウを伝え続け「モバイルの開祖」と称される。その功績により2004年にテレワーク推進賞個人賞を受賞。モバイルとデジタル仕事術を披露する連載コラム『日本経済新聞』「デジタルスパイス」は、約11年余、568回執筆、『賢者のデジタル』(マガジンハウス)として出版された。体験にもとづく「スーパー書斎」シリーズや「山根式袋ファイル」による情報整理術、先端情報技術をわかりやすく説く著書は20冊を超える。

 2009年4月に獨協大学経済学部特任教授に就任、約1000人の学生にモノつくりや「環業革命」、メディアの使命と課題などの講義を続けているが、映像や写真を駆使した解説、ホットなゲストを招いての対談など新しい大学講義のありように挑んでいる。2010年度は特別ゲストを招いての講義内容をマガジンハウスから出版する試みも行っている。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、福井県文化顧問、月探査に関する懇談会委員(内閣官房)、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、NPO子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)理事、講談社科学出版賞、日経地球環境技術賞、北九州マイスター各選考委員。共用品推進機構、日本聴導犬協会、大宅壮一文庫などの各評議員。2001年北九州博覧祭北九州市出展「ものづくりメタルカラー館」プロ デューサー、2005年日本国際博覧会・愛知県総合プロデューサー、国民文化祭ふくい2005・総合プロデューサーなどを歴任。日本文藝家協会会員。

 著書に、10年にわたる取材成果をまとめた『環業革命』(講談社・韓国でも翻訳出版)『アマゾン入門』『東京のそうじ』『モバイル書斎の遊戯術』『デジタル産業革命』『山根一眞の素朴な疑問』『賢者のデジタル』『小惑星探査機はやぶさの大冒険』など多数。
(2010年8月現在)